キオクシアの株価が急騰した理由とは？最新ニュースと今後の展望

1. はじめに

2025年に入り半導体業界で大きな動きが見られる中、キオクシアの株価が急騰しました。

特に2025年1月と3月に発表されたニュースが投資家の注目を集め、株価上昇の要因となりました。

本記事ではキオクシアの株価急騰の理由を詳しく解説し、今後の見通しについても考察します。

2. キオクシアとは？

2-1. 会社概要

キオクシアホールディングス株式会社（Kioxia Holdings Corporation）は、日本を代表する半導体メーカーの一つで、特にNAND型フラッシュメモリーの開発・製造に強みを持っています。

かつては東芝メモリとして知られていましたが、2019年に現在の社名に変更されました。

2-2. 主要事業と市場でのポジション

• NAND型フラッシュメモリーの製造・販売
• データセンター、スマートフォン、自動車向けメモリーの供給
• 世界市場での競争相手：サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンなど

キオクシアは特にデータセンター向けの高性能メモリーの分野で技術革新を進めており、業界内での競争力を高めています。

3. キオクシアの株価が急騰した理由

2025年に入りキオクシアの株価は急上昇しました。その背景には、以下の3つの要因と1つの思惑買いが挙げられます。

3-1. 米ピュア・ストレージがキオクシアの最先端メモリーを採用（2025年1月6日）

2025年1月6日、「大型記憶装置を手がける米ピュア・ストレージが、キオクシアが年内に生産を開始する最先端メモリーの採用を決めた」との報道がありました。

このニュースが与えた影響

• キオクシアの技術力の評価向上：次世代メモリーが米国大手ストレージ企業に採用されることで、製品の競争力が証明された。
• 収益拡大への期待：ピュア・ストレージとの契約により大口受注が見込まれ、業績向上への期待が高まった。
• 投資家の買い材料：新技術の採用が決まることで投資家の期待感が一気に高まり、株価上昇につながった。

3-2. サムスン電子の好決算による連想買い

2025年初頭、世界最大手の半導体メモリメーカーである韓国のサムスン電子が市場予想を上回る好決算を発表しました。

なぜサムスンの決算がキオクシアの株価に影響を与えたのか？

• 半導体市場全体の回復が示唆された：サムスンの業績が好調であることは、NAND型フラッシュメモリー市場の需要が堅調であることを示唆。
• 競合他社の業績にも好影響：同業のキオクシアも市場環境の改善による恩恵を受ける可能性が高いと判断され、投資家の買いが集まった。

サムスンの決算をきっかけに半導体関連銘柄全体に買いが広がり、キオクシアの株価も急騰しました。

3-3. 次世代NAND型フラッシュメモリーの開発発表（2025年2月20日）

2025年2月20日、キオクシアは次世代NAND型フラッシュメモリーを開発したと発表しました。

この発表のポイント

• 記録密度と書き込み速度の大幅向上：次世代メモリー技術によりストレージの性能が向上。
• データセンター・AI向け市場での競争力強化：大容量・高速なメモリーが求められる市場でのシェア拡大が期待される。
• 技術革新が株価上昇を後押し：新技術の発表は企業の成長性を示し、投資家の評価が向上。

この発表を受けキオクシアの株価は再び大きく上昇しました。

3-4. 半導体工場に関する協業の思惑？（2025年3月7日）

SBIホールディングスが宮城県の半導体工場建設計画をめぐり、韓国SKハイニックス、台湾UMCなどと協業交渉中との報道がなされたことを「事実無根」であると否定したという報道が出ました。

これを受けて、SKハイニックスと並びメモリー大手であるキオクシアが協業相手ではないか？という思惑買いが直近の株価を押し上げた要因だという観測が出ています。

4. 今後の株価の見通し

4-1. 短期的なリスク要因

• 半導体市場の価格変動：NAND価格が供給過剰になると利益率が低下する可能性。
• 競争環境の激化：サムスンやSKハイニックス、マイクロンとの競争が続く。

4-2. 長期的な成長要因

• データセンター需要の拡大：クラウドサービスの発展によりストレージ市場は成長を続ける。
• AI・5Gの普及：高速・大容量ストレージの需要が増加しNAND市場が拡大。
• キオクシアの技術革新：次世代メモリー開発が進めば競争優位性が確立される。

5. まとめ

2025年に入りキオクシアの株価が急騰した主な理由は以下の4点です。

1. 米ピュア・ストレージが最先端メモリーの採用を決定し、技術力が評価された。
2. サムスン電子の好決算を受け、半導体市場全体の回復が期待された。
3. 次世代NAND型フラッシュメモリーの開発発表により、将来の成長性が注目された。
4. SBIホールディングスによる宮城県半導体工場建設をめぐる協業思惑買い

今後の株価の動向は、半導体市場の変化や競争環境に大きく左右されますが、キオクシアの技術革新と市場成長が続けば、さらなる上昇余地も期待できます。